【改正民法】共同親権導入で変わる「子連れ別居」と親権の行使
2026/04/16
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「子連れ別居」の「親権」は、どんなことが有利で、どんなことが不利になるのか?
夫婦の仲が冷え切り、別居を考える際、最も頭を悩ませるのが「子どものこと」です。
2026年(令和8年)4月1日に改正民法が施行されたことで、どう変わったのでしょう?
これまでの離婚したら「単独親権」一択の時代と、これからの「共同親権」時代では、裁判所の判断基準はどう変わるのでしょうか。実務上の重要なポイントを詳しく解説します。
1. 依然として強力な「監護の継続性」という原則
共同親権が導入された後も、実務において最も重視される基準の一つは、依然として「監護の継続性」です。
裁判所は一貫して「子どもの生活環境がコロコロ変わることは、心理的な負担が大きく、健全な発育を阻害する」と考えています。
そのため、現時点で「どちらが子どもと一緒に暮らし、安定した生活リズムを作っているか」という事実は、親権(あるいは監護者)を決定する上で非常に強力なカードとなります。
一度別居が始まり、新しい学校や幼稚園での生活が定着してしまうと、それを覆して「元の家に戻す」という判断は、子どもへの負担を考慮して慎重にならざるを得ないからです。
2. 「連れ去り」に対する裁判所の厳しい目
しかし、共同親権時代の到来とともに、これまでの「連れて出たもの勝ち」という風潮には明確な変化の兆しが見えてきました。
以前の単独親権時代よりも厳しく評価されるようになったのが、「強引な連れ出し」や「相手からの引き離し」です。
「相手に何も告げず」あるいは「無理やり子どもを連れて家を出る」行為は、裁判所から「相手の親権を軽視している」「親同士の協調性が欠如している」とみなされるリスクがあります。
特に、以下の様な行為は「親権者として不適格」と評価され、不利に働く可能性が高まっています。
・面会交流の拒絶: 正当な理由なく、別居中の親と子どもを会わせない。
・情報の遮断: 子どもの進路や健康状態について、相手に一切知らせない。
・不当な囲い込み: 監護の実績を作るためだけに、子どもを外部から遮断する。
改正民法の下では、離婚後も双方が親として関わることが期待されているため、「相手を排除しようとする親」は、むしろ共同親権を担うにふさわしくないと判断されかねないのです。
3. 「不利にならない」ケースとは?
一方で、すべての「子連れ別居」が否定されるわけではありません。以下のケースでは、連れて出た側が不利になることはまずありません。
①相手の DVや虐待からの避難
自身や子どもに対する暴力(DV)、精神的な虐待、ネグレクトがある場合、身の安全を守るための別居は当然の権利です。この場合、相手の同意なく避難したとしても「不当な連れ去り」とはみなされません。むしろ、そのような環境に子どもを留めておくことの方が問題視されます。
② 十分な協議の結果
「来月から別居する」「子どもはひとまずこちらで育てる」といった合意や、少なくとも話し合いの形跡がある場合は、正当な監護の開始と認められます。
4. 勝ち負けではない親権の行使
親権争いは、しばしば「勝つか負けるか」で語られがちです。しかし、共同親権導入の真の目的は、離婚後も子どもが「両方の親からの愛情を受けられる環境」を守ることにあります。
もし今、あなたが「子どもを連れて行くべきか、置いていくべきか」と悩んでいるなら、それは単純な「実績作り」ではなく、「どうすれば子どもが、別れた親とも良好な関係を保ちつつ、健やかに暮らせるか」という視点を持つことが、結果として裁判所から高く評価される鍵となります。
5. まとめ:後悔しないための選択を
共同親権時代の親権争いは、単なる「居住の実績」だけでなく、「親としての誠実さ」や「相手親への寛容性」がより深く問われます。
強引な行動は、かえって将来の親権を危うくする。
安全が確保できるなら、まずは話し合いの形跡を残す。
子どもの生活基盤を守りつつ、相手との関わりをどう維持するかを計画する。
こうした冷静な戦略が、あなたとお子様の未来を守ることに繋がります。もし、相手側の不適切な監護(ネグレクトや不貞による放任など)を疑っている場合は、感情的にならず、まずは客観的な証拠を集めることから始めてください。





















