不貞の証拠を無駄にしてはいけない
2023/07/02
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せっかく不貞行為の証拠を押さえても使い方を間違えて無駄にしてしまう相談者様がいらっしゃいます。
実際に、弊社で、ある女性(以下「Aさん」と言います)のお客様から相談を受けた事例をもとに解説させて頂きます。
さて
Aさんの夫は、少し前から、スマホを風呂やトイレに行くときまで、肌身離さず持って行く様になりました。
また、その頃から、残業で、夫の帰りが毎日、遅くなっていたのです。
そして、Aさんは、やたらと残業が増えたのに、毎月の給料が変わっていないことを不審に思い、夫が残業しているであろう時間帯に、夫のクルマが、勤務先にちゃんとあるか否か、何度か見に行たったそうです。
案の定、夫が残業と言っていた時間帯に、勤務先にりクルマがあったことは1度も無かったのです。
このことで、夫が浮気をしていることを確信したAさんは、夫のスマートフォン(以下「スマホ」と言いいます)を調べたところ、決定的な証拠画像を見つけました。
Aさんは、それをしっかり自分のスマホで撮影して保存しました。。
その写真には、夫と若い女性が全裸で抱き合っている姿や、夫がその女性陰部に、自分のモノを挿入しているところまでしっかり写っていました。
そして、2人を知っている人物が見たならば、●●さんだとハッキリと分かるほど、顔も鮮明に写っていたのです。
Aさんは、怒り心頭になり、すぐに夫を問い詰めたそうです。
しかし、夫は「その写真は、結婚する前に撮った写真だ。」と言い張ったそうです。
そして、女性の名前や住所を聞いても、口を割らなかったそうです。
Aさんいわく「結婚する前の写真だということはありえない」とのことです。
※交友関係などから全く考えにくい
夫が嘘をついているのは間違いないとのことでした。
そこで、Aさんは「相手女性に慰謝料を請求したい」「夫からも慰謝料をとって離婚したい」から何とかならないか?と弊社に相談に来られたのでうが、結論から申し上げて、極めて難しいと思います。
これらの目的を達成するためには、少なくとも以下の2つの要件が必要です。
1.不貞行為の存在が証明できること
いくら性的関係があったことを証明できる画を押さえてあっても、それが、婚姻前に行われたのであれば不貞行為ではありませんから、婚姻中に性的行為が行われたことを証明する必要があります。。
2.相手女性の氏名と居場所が分かること
相手女性が誰なのか分からなければ、慰謝料を請求しようにもする方法がありません。
何とか、実現できる方法は無いかと、Aさんに色々と聞いてみました。
Q①:写真の元データがあれば、撮影された日時が分かる方法があるので、データかスマホ本体を手に入れられないか?
A①:Aさんのスマホで撮影した写真はあるが、夫がスマホを新しいものに替えてしまい下取りに出してしまったため、元データもそれを撮影したスマホもない。
Q②:不倫相手の多くは、職場関係者だが、職場関係者だったら比較的容易に調査が可能かも。心当たりはないか?
A②:夫の職場には若い女性は1人もいないので写真の女性は職場の人ではない
Q③:顔写真のみで調査をすると範囲が広すぎて現実的ではないので、写真の女性について何でもいいから、分かる情報は無いか?
A③:相手女性の情報は、写真以外には何もないので分からない。
Q④:恐ろしく警戒しているとは思うが、夫と相手女性が続いていれば、不貞の証拠を収集や、女性の住所や氏名を判明させる調査(尾行その他)ができるがが、続いているか?
A④:夫は、あれからずっと帰宅も早く、スマホも無防備にロックもかけずに置いてあるので、怪しい節がなく、女性と別れてしまったと思う。
Q⑤:夫の容姿などから、結婚してからの写真であることを証明できないか?
Q⑤:結婚2年目なので、見た目は変わっていない。
Q⑥:不貞がなくても、夫婦の双方が同意すれば、離婚ができるので、離婚したいなら慰謝料はあきらめて離婚を求めてみたらどうか?
A⑥:夫には、全く離婚気がないから難しい。
この様に、Aさんのご要望を叶えるのは困難だったです。
つまり、この案件はほぼ迷宮入りがということです。
余地があるとすれば、しばらくして、夫と相手女性の関係が復活すればといったところでしょうか?
もしも、Aさんが、夫のスマホから証拠を入手しても、問い詰めたりせず、すぐにご相談頂き、調査をしていたら、結果は大きく変わっていたと思われます。
裸や挿入の写真があれば、調査では最低限の1回だけ証拠を押さえればすみます。
しかも、毎日の様に会っていた様ですから、恐らく証拠はすぐに撮れたでしょう。
実に悔やまれる案件です。
実は、Aさんの様に、夫(妻)のスマホから不貞の証拠を見つけて問い詰めてしまったお客様からのご相談が、よくあります。
しかし、そのほとんどが、相手の異性が誰なのか分からないまま問い詰めてしまい、誰なのかを浮気夫(妻)が、白状しませんでした。
つまり、不倫相手が、誰だか分からないのです。
分からない以上、その人物に慰謝料を請求することはできないのです。
ですから、「完璧な証拠を手に入れた」と思っても、冷静にって、まずは専門家に相談されることをおすすめします。